新規事業を始めたいけどアイディアがない!そんなときに使えるアイディア創出方法
しかし、当然ながら新規事業レベルのアイデアは簡単には出てきません。どんな熟練経営者であろうと、悩むうちに時間だけが過ぎていくという苦境はあるものです。
そこで今回は、アイデア創出の一助となりうるレームワークやアイデア集めのポイントをご紹介します。
- 1 新規事業に求められることとは
- 1-1 実現性
- 1-2 市場性
- 1-3 社会性
- 2 新規事業を生み出す時に使えるフレームワーク
- 2-1 マンダラート
- 2-2 スキャンパー法
- 2-3 5W1Hをアイデア創出に
- 3 新規事業のアイデアを集めるには
- 3-1 自社事業を分析する。
- 3-2 業界全体を分析する。
- 3-3 同業他社の成功例を真似る。
- 3-4 風通しを良くし現場の声を集める。
- 3-5 顧客からのクレームなど意見を集める。
- 4 まとめ
新規事業に求められることとは
現代社会において、探せばアイデア自体は星の数ほど見つかります。
単にネットサーフィンで様々なコンテンツからヒントを得ることができますし、アイデア自体を探して拝借したり、クラウドソーシングやコンサル会社を通じて誰かに考えてもらったりすることも可能です。
しかし、こうして得たアイデアすべてが新規事業に求められるレベルを満たしているとは限りません。新規事業として成功に導くためには、収益性や実現性など要素を満たす必要があるからです。
まずは新規事業に求められる3つのポイントをご紹介します。
実現性
実現性とは、検討するアイデアをビジネスモデルとして成功するために必要な要件を満たしているかです。
たとえば、事業として継続するには採算性が欠かせませんし、技術的に実現できるものでなくてはなりません。また、企業体力によっては「○カ月で黒字転向」など採算ラインを設ける必要もあるでしょう。
アイデアだけ先行しても、これらの要件を満たせなければ新規事業として実現することはできません。新規事業として展開するには必ずクリアすべき課題です。
市場性
市場性とは、展開する事業が需要のあるものかという要素です。
どれほど優れたアイデアやサービスも需要がなければビジネスとして成立しません。また、仮に需要があっても、必要とされる量を提供できなければ、
やはり事業としては難しくなります。
このため、新規事業を考慮する際は需要や拡張性(スケーラビリティ)も考慮して検討すべきです。
社会性
社会性とは、検討するアイデアが社会的に必要とされるものであるかという要素です。
これは収益性や回収期間、参入障壁といった単純な経済的な判断基準ではありません。社会全体が必要としているが、何らかの理由で空白状態となっているビジネスなどが該当します。
社会性は少しわかりにくいので、幼児教育を得意としてた企業が、障がい児支援事業に参入した例を挙げます。
この企業は既存の障がい児支援事業が教育人材の不足から預かりサービスと化している現実に着目し、参入を決めました。障がい児の教育業界は小さな市場のため新規参入が困難とされていましたが、同社は幼児教育を得意としている人材を活用し専門性を発揮することで、瞬く間に黒字化に成功したのです。
幼児教育業界は現在、少子高齢化と未婚率上昇の影響で急速にパイを減らしています。
その意味ではこの会社も斜陽を迎えていましたが「障がい児教育」という社会性を中心に据え新規事業を展開したため、収益増加と社会貢献、企業ブランディングの3者を同時に得ることに成功しています。
新規事業を生み出す時に使えるフレームワーク
人間の思考は散逸しやすく、整理しようにも頭の中では効率的にまとまりません。
ですから、新規事業のアイデアを練るにしても、闇雲に考えるより一定のフレームワークに従ってメモに書きだした方が有効です。特に最近は様々なロジックをベースにしたフレームワークが生まれており、経営において役立つ考え方も多数あります。
とはいえ、「フレームワークを実行せよ」と言われても具体例がなければ困りますよね。
まずは新規事業にむいたフレームワークをご紹介していきたいと思います。
マンダラート
マンダラートとは、メインテーマを中心に据えた合計9つのマスを使ってアイデアを練るフレームワークです。
使い方は簡単で、中心のテーマと関連する要素を周囲のマスに書き込むだけです。作業を終えると、メインビジネスと関連した事業可能性を持つ8つのヒントが得られます。
「足りない」というときは、書き終わったら今度は周囲のマスに書いたテーマを中心に据え、同じことを試してみましょう。より深みのあるアイデアが捻り出せます。
スキャンパー法
スキャンパー法とは、ビジネスに欠かせない7つの要素を自分自身に問いかけて、アイデアを創出するというフレームワークです。
質問の内容は以下の7つ。順に回答することで、有望なアイデアへの昇華できます。
・Substitute(代える) 他の製品や素材で代用できるか?
・Combine(組み合わせる) 他の製品やサービスと組み合わせ可能か?
・Adapt(適応する) 類似商品はないか?
・Modify(修正する) サイズや色、形状を変更できるか?
・Put to other uses(転用する) 他の使い道はあるか?
・Eliminate(削減) 除外しても問題ない機能や要素が含まれていないか?
・Reverse(転換)およびRearrange(再編成) メインを変えることができないか?
5W1Hをアイデア創出に
5W1Hとは「いつ、どこで、誰が、何を、なぜ、どうやって」の6つのポイントをまとめたものです。文章においては5W1Hを盛り込むことで、聞き手にとって具体的な情景が思い浮かぶ、わかりやすい文章が仕上がります。
実は、この5W1Hもアイデア創出のフレームワークとして活用できます。
検討したいテーマをお持ちでしたら試しに5W1Hを使って問いかけてください。すべての質問に答えるうちにアイデアの展開時期や場所、ターゲット層に提供方法などが具体化されているはずです。
新規事業のアイデアを集めるには
アイデアはいわば閃きであり、きっかけとなる情報が必要です。
最近国内で広がっているMaaS(モビリティ・アズ・ア・サービス)を例に考えてみましょう。MaaSは各社の交通サービスをICTでプラットフォーム化し一括提供するというものですが、国内で注目されるに至ったきっかけの1つは「観光客の交通サービスへの不満」です。
東京や京都などに初めて訪れた観光客は、目的地へ移動する際、電車やバス・レンタサイクルなどさまざまなサービスを利用します。しかし、それぞれ運営会社が異なるため、観光客側の立場になると「支払方法も予約方法も乗車時間もまるで異なる」という不満点がありました。
しかし、ここで各社の交通サービスを一元管理できるMaaSが登場したらどうでしょう。
MaaSを活用すれば、観光客はスタートからラストワンマイルに至るまでの移動手段や予約、支払をアプリ1つで実行できます。すなわち、はじめて訪れる観光客も、自家用車を持つ地元民同様に、迷わず、効率的に、最短での移動が可能です。
このように、革新的新規事業のアイデアヒントは至るところに存在します。身近なビジネスや体験から得たきっかけを注意深く観察することで、発見が得られるかもしれません。
自社事業を分析する。
自社事業はアイデアの宝庫です。
特に日本人はまったく新しい事業を生み出すことを苦手としていますが、既存事業を改善したり、関連付けたサービスを発案するのは得意です。
自社の事業活動を見直し、各部門の機能や価値、役割に顧客体験をメモにして書き出してみましょう。改善案から新たな事業アイデアが浮かび上がるかもしれません。
業界全体を分析する。
業界全体を俯瞰するのもアイデア創出に役立ちます。
情報化社会である現代は、日々あらゆる業界のニュースがあらゆる角度で報じられています。統計情報をベースに事実のみを報じたものもあれば、独自の角度から業界の未来を予測したもの、現在起きている問題を分析したものまで様々です。
これらを分析することで、業界全体に内在している、課題を見つけることができるでしょう。見つけた課題の中には過剰反応に過ぎないものも含まれますが、逆に早急に手を打つことで業界全体を揺るがす発見があるかもしれません。
同業他社の成功例を真似る。
同業他社の成功例からヒントを得る手法は、成功率が高く有用なパターンです。
とはいえ、既存企業のサービスをそのままマネしても成果を得るのは難しいです。知名度や信頼度においては既存企業に一日の長があります。
しかし、同業他社のサービスの弱点や問題点を発見し、これを補う形のサービスを展開できれば話は別です。多くのユーザーはより使いやすいサービスを選ぶため、古きに勝るサービスを展開できれば、成長性大の新規事業として成り立ちます。
風通しを良くし現場の声を集める。
現場の声からヒントを得るのも一つの手です。
特にあなたが普段から接しているマネジメント層ではなく、経営に関与しない非マネジメント層へのヒアリングが有用です。担当者レベルでなければ気付けないミクロなアイデアや情報が得られるはずです。
こうした現場の声が成功例に繋がったパターンは数知れません。
顧客からのクレームなど意見を集める。
「お客様の声」からヒントを得るパターンです。
エンドユーザーの反応は実に重要なポイントで、提供した商品の品質から量、提供方法に至るまで、様々な情報が得られます。
大抵は改善案に役立つものとして用いますが、なかには既存サービスでの解決が難しいものも存在します。これを「ムリだ」と切り捨ててしまうのではなく、新規事業へのアイデアとして検討することで、新しい事業案が見えてくるかもしれません。
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新規事業のアイデアはいたるところに存在します。
経営者であれば、自社事業を俯瞰したり、業界全体を眺めたり、他社の事業からヒントを得るなど多くの機会があります。時には現場からヒアリングしたり、普段はサービス改善に活用している顧客の声を新規事業へのヒントに活用する手も有効です。
しかし、ヒトの思考は散逸しやすく失われやすいため、効率的に組み立てるなら、頭の中でなんとなく整理するより、ある種のフレームワークを用いるべきです。
すなわち、メモを取ったアイデアをフレームワークにかけプラッシュアップにかけることで、浮かんだアイデアを質の高い事業計画に昇華することが可能です。
日報という名のSNS「日報革命」サービス資料
しかし、当然ながら新規事業レベルのアイデアは簡単には出てきません。どんな熟練経営者であろうと、悩むうちに時間だけが過ぎていくという苦境はあるものです。
そこで今回は、アイデア創出の一助となりうるレームワークやアイデア集めのポイントをご紹介します。