「ヒヤリハットは必ず報告!」業務中の事故を防止する報告の重要性
「あと少しで重大事故!」ヒヤリハット対策で防げるかもしれません。
ヒヤリハットは、ヒヤリとした危険にハッと気付くことから生まれました。ブルーカラーを想像してしまうかもしれませんが、ホワイトカラーもヒヤリハットはたくさんあります。
ここでは職場からヒヤリハットが起きてしまう背景や種類を示しながら、抑止のための効果的な方法を解説します。
- 1 ヒヤリハットの具体例
- 1-1 誤送信
- 1-2 スケジュール失念
- 1-3 交通事故
- 1-4 創傷
- 2 事故防止にはヒヤリハットの報告が重要
- 3 報告のポイント
- 4 ヒヤリハット報告定着の施策
- 4-1 電子化する
- 4-2 処分しない
- 4-3 共有しやすい環境
- 5 まとめ
ヒヤリハットの具体例
ヒヤリハットは「重大事故が起きそうだった」という状況です。
今回は防げたから良いものの、次回も防げるとは限りません。まずはヒヤリハットが問題になりやすい例をご紹介したいと思います。
誤送信
FAXや電子メールの誤送信は、ほぼ毎日起きています。
もっとも目立つのは送信欄の入力ミス。「BCC」ではなく「To」でアドレスを入れ情報流出を起こした例は枚挙にいとまがありません。
誤送信先が社内であれば被害はほとんどありません。問題になるのは社外メール。
顧客宛のメルマガを誤送信したりすると、あっという間に数百、数千件規模のインシデントに発展します。
スケジュール失念
スケジュールの失念(忘れてしまうこと)もヒヤリハットの代表格です。
顧客や取引先との大事な打ち合わせを忘れてしまった…なんてケース、社内で一度は目にしますよね。
法に触れたり労災に繋がるようなものではありませんが、本人はもちろん、企業の信用を著しく傷つける行為です。
交通事故
交通事故も全国各地で起きています。
物流や旅客だけではありません。外出中に営業車や社用車で事故発生というケースも多く、しばしば問題になっています。なかには飲酒運転という重大事案も…。
交通事故の大半は社内啓発で防げます。企業の中には社内で起きた事故を周知したり、処分する例もあります。
創傷
ケガなどの創傷もヒヤリハットの代表格です。
機械や刃物を扱う業種は特に注意が求められます。また、業務の多忙も事故のリスクを増大すると言われています。
人気ラーメン店の幸楽苑に従業員の指が混入した事案は有名ですよね。担当者の多忙も事故の要因になったと見られています。
事故防止にはヒヤリハットの報告が重要
ヒヤリハットは重大事故を防ぐための重要なヒントのひとつです。
アメリカの損害保険処理の経験則に「ハインリッヒの法則」というものがあります。
この説は重大事故の背後には、29の軽微な事故が存在し、さらにその背後には300の異常(ヒヤリハット)「1:29:300」の比率があると論じたものです。
つまり、現場で起きた1件の重大事故の背後には300ものヒヤリハットが積み重なっているのです。
重大事故は単なる偶然ではありません。
現場で起きたヒヤリハットが起きた場合、正しく報告が上がるような仕組みを作りましょう。
ヒヤリハットを「事故にならなくて一安心」で終わらせないことが、重大事故を防ぐための最善策です。
報告のポイント
報告書は常にわかりやすいものが理想的です。
しかし、報告は簡単なようで難しいです。書き手が状況を正確に説明し、読み手が正しく理解しないと、
いつの間にやら事実から離れていってしまうからです。(情報不足や勘違いが原因で、後から部下に質問したという経験はありませんか?)
こうしたトラブルを防ぐには、誰が書いても必要な情報が正確に得られる「テンプレート化」が有効です。
ヒヤリハットにおいては「ヒヤリハット報告書」用の様式を作成し、ヒヤリハット発生時に記入すると良いでしょう。
〇ヒヤリハット報告書に盛り込むべき項目例
1 報告者の情報 報告者の名前、役職、連絡先等を記載します。これにより、詳細の確認や追加情報の取得が必要な場合にすぐに連絡が取れます。
2 発生日時 ヒヤリハットが発生した日付と時間を明記します。これはパターン分析に役立ちます(例:特定の時間帯や日に事故が多いかどうか等)。
3 発生場所 ヒヤリハットが発生した具体的な場所を記載します。これは環境的要因が事故の原因である可能性を調査するために重要です。
4 発生状況の詳細 ヒヤリハットが発生した状況を詳細に説明します。具体的な行動、使用されていた機器、作業状況、他の関与者等を含むべきです。
5 関与者: ヒヤリハットに関与したすべての人々をリストします。名前、役職、行動等が詳細に記されるべきです。
6 ヒヤリハットの原因 ヒヤリハットの直接的な原因を特定し、記述します。可能であれば、根本的な原因(システム上の欠陥や組織的問題など)も特定します。
7 対策提案 同種のヒヤリハットを防ぐための提案を記載します。これはアクションプランの一部となります。
8 写真や図面 可能であれば、事故現場の写真や図面を添付します。これらは状況を理解し、問題解析を行うのに役立ちます。
ヒヤリハット報告定着の施策
ヒヤリハットの報告は現場の理解と協力が不可欠です。
現場の意向を無視して報告ルールを策定しても、すぐに形骸化してしまいます。時折「ヒヤリハット撲滅!」などを掲げる組織もありますが、
これなど「俺にミスを見せるな!」と言ってるようなもの。すぐにミス隠しが続出してしまいます。
では、どのように報告を定着すべきか。ここからは、ヒヤリハットをはじめとした各種報告書を定着させるポイントを解説します。
電子化する
報告はできるだけ低負担・低労力であるべきです。
特に報告の電子化は手軽かつ大きな効果を期待できます。手書きの課題であった作成時間を短縮し、作成や提出の場所的制約もなくなります。
また、説明のために上司のスケジュールをチェックしたり、待機する必要もありません。
現場の負担も軽微で済むため、報告ルールが受け入れられやすくなります。
処分しない
必要以上に厳しく叱責したり処分するような行為は避けましょう。
人間が作業する以上、現場ではどれだけ注意してもミスが起きます。
ミス自体を厳しく追求する姿勢を取ってしまうと現場が委縮し「ミス隠し」がはびこります。
本来は軽微な事故なのにミス隠しが原因で大きな騒ぎになった例は多いです。
大事なことは再発防止のために何ができるか。報告後の情報共有も見せしめではなく、氏名を伏せるなど再発防止に重点を置いたものにすべきです。
共有しやすい環境
情報共有しても閲覧がなければ周知徹底は測れません。
会社のホワイドボードの告示なんて閲覧する人は限られます。可能であれば、情報共有をオンライン化・クラウド化することで、全社的に事案を共有できるようにすべきです。
効果的な施策としては社内SNSなどの活用が考えられます。時間や場所、役職に捉われず情報にアクセスできる環境ができれば、自然と閲覧数も増加します。
まとめ
重大事故は無数のヒヤリハットを放置した結果、起きるものです。
事故防止はヒヤリハットが起きた時、適切に対処できるかにかかっています。正しく報告できるようテンプレート化したり、
報告が容易になるよう電子化・オンライン化するなど管理側サイドができることも多いです。
報告は叱責や追求ではなく、再発防止のためであることも忘れてはいけません。寄せられた報告は倉庫の奥に眠らせるより、全社員が目にするよう周知徹底すべきです。
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