心理的安全性を高め「人」で勝つチームの作り方
心理的安全性は成功し続けるチームに欠かせない重要組織要素です。
言葉は少し難しいですが要は「自由に発言できる場所や空気」ということです。
行動や発言に対する精神的なハードルが下がると、従業員が忌憚なく実行できるようになり、これが生産性や成長性の向上に繋がると期待されています。
心理的安全性は以前から提唱されていましたが、米Googleが自社チームを対象にしたプロジェクトを通じて証明したことで、急速に注目を集めています。
今回はいま大注目の心理的安全性の働きや効果、メリットを解説したいと思います。
- 1 心理的安全性とは?
- 2 心理的安全性の必要性
- 3 心理的安全性が企業にもたらす効果
- 3-1 生産性の向上につながる
- 3-2 定着率の向上につながる
- 3-3 個人と会社が成長できる
- 4 心理的安全性の高い環境の作り方
- 4-1 従業員を尊重する
- 4-2 コミュニケーションを取る
- 4-3 さまざまな意見を受けとめる
- 5 心理的安全性を高める際の注意点
- 5-1 安定・公平であること
- 5-2 アイスブレイクを取り入れる
- 5-3 評価基準を明確にする
- 5-4 メンター制度を導入する
- 5-5 ピアボーナスを取り入れる
- 6 まとめ
心理的安全性とは?
心理的安全性とは「発言や行動に対する心理的なハードルがどの程度あるのか?」
という組織環境的な要素です。
例えば、発言に否定や叱責ばかりで応じている組織は、従業員にとって発言そのものがリスクに繋がり、心理的な安全性が低い組織と評価できます。
逆に意見に対し議論を尽くしている組織なら、従業員にとって発言はチャンスであり、心理的安全性が高い組織と評価できます。
日本はかつて「新人に発言権はない」というようなことをやってきました。
しかし、実際にはさまざまな立場からの見方を採り上げ、総覧する姿勢を持つ組織の方が、成長性が高いと評価されています。
心理的安全性の必要性
心理的安全性の必要性を説明するには安全性の低い組織を検討すると瞭然です。
心理的安全性が低い組織では従業員にとって発言や行動そのものリスクになります。
このため、該当する組織では、支配層以外のあらゆる従業員が行動をためらい、
新人が相談や報告せずに大きなミスを起こした
社員がアイデアや意見を出さずに停滞しがち
萎縮に疲れた従業員がやりがいを求めて転職する
というような事態が続発します。
時折、「怒られるのが怖くてミスを隠した」というような不祥事ニュースが流れますが、
これなど組織的安全性の低さが招いた最たる例と言えるでしょう。
心理的安全性が企業にもたらす効果
心理的安全性が高ければ従業員は組織や支配層に忌憚を感じず行動できます。
これを好機と放恣のどちらで取るかは経営層の器量次第です。
実益で見ると生産性や成長性、定着率の向上など様々な効果が期待できます。
生産性の向上につながる
心理的安全性の高い組織では従業員はリスクを恐れず行動するため、意見や情報交換が活発になります。
このため、各所で様々な意見や情報が交わり、価値を生み、業務効率化や生産性向上に繋がるアイデアが生まれやすくなります。
また、質問や相談も行いやすくなるため、新人をはじめ、あらゆる層でミスが発生しにくくなります。
定着率の向上につながる
従業員にとって心理的安全性の高い職場は、無用な憚りや忌憚が存在せず、のびのびと働ける場所です。
日本の離職理由は常に「人間関係」がトップを走っていることを考慮すると、
心理的安全性の高さが組織にとって大きなメリットであるのは明白です。
自由に発言できチャレンジできる職場を捨てる理由は多くありません。
心理的安全性の高さは組織の離職率を減らし、従業員定着率の向上に繋がります。
個人と会社が成長できる
心理的安全性が高い職場の従業員は不慣れな業務も自信をもって行えます。
このため、個人としても会社としても成長効果を期待できます。
仮に失敗しても叱責や処罰で終わらず、次につながるアドバイスが得られるため、気持ちに切れ目が生まれにくく、前向きな行動が期待できます。
心理的安全性の高い環境の作り方
心理的安全性は理屈こそ簡単ですが実践するとなると難しいです。
いきなり方針転換しても組織全体として受け入れるのは困難です。
まずは従業員を尊重し意見に耳を傾けるなど、基本的なところから手を付けると良いでしょう。
従業員を尊重する
心理的安全性は相手の尊重から成り立ちます。
部下だから、後輩だから、新人だからと他者を軽視しているうちは醸成できません。
笑顔で接する、相手の話に耳を傾ける、否定だけで終わらない、など相手を気遣う行動から手がけましょう。
コミュニケーションを取る
コミュニケーションは心理的安全性を密接に関係します。
誰しも人物像が見えない相手には警戒心を抱くものです。
特に管理的立場にあるアナタがどんな人物か見えないことには、周りは踏み込んだ発言や行動ができません。
休憩時間に雑談を持ちかけたり、昼食を共にするなど持ちかけると良いでしょう。
何気なくふるまうだけで相手がアナタを観察します。
さまざまな意見を受けとめる
あやゆる意見をしっかり受け止めましょう。
チームメンバーが増えるほど多様な発言が飛び交います。
当然、自身の考えと異なる意見も出てきますが、これを抑えつけず、しっかり検討すべきです。
特に少数派としての発言は勇気がいるぶん貴重です。
これをどのように捌くかで、管理職としての器量も試されます。
心理的安全性を高める際の注意点
最後に心理的安全性の向上に有効なポイントや注意点を解説します。
安定・公平であること
心理的安全性の向上は管理職としての安定性・公平性が問われます。
例えば、機嫌の良いだけ意見を聞く姿勢を持っても、誰も安全性を認識しません。
お気に入りの意見にだけ耳を傾けるような行為も同様です。
当たり前の話に聞こえるかもしれません。
しかし、現実に継続・公平を意識する人材が世の中どれだけいるのでしょうか。あえて言うなら、ほとんどいないと言って良いから、ことさら強調されるわけです。
アイスブレイクを取り入れる
アイスブレイクは会議やMTなど張り詰めた環境で取り入れたい手法です。
緊張というの厄介なもので、人によっては普段の半分も実力を出すことができません。
だからこそ、業界ニュースやコラムなど緊張をほぐす会話が求められます。
例えばプログラミング講座の世界では、
JAVAとJavaScriptという2つの間違われやすい言語を説明する際「メロンとメロンパンくらい違う」と表現し、笑いを取ります。
肩の力を抜いてこそ頭に入ってくるからです。
評価基準を明確にする
明確な評価基準も大切です。
組織では発言であれ行動であれ、常に評価に影響します。
評価基準が不透明では「こんな発言をしたら評価が下がるかも…」と足踏みする従業員が出てきます。
多様な意見を求めるなら、評価基準は明確にしておきましょう。
心理的安全性とは、「従業員自身が安全を確信している」からこそ効果を発揮する考え方です。
メンター制度を導入する
OJTやメンター制度を導入し関係構築を重視する手もあります。
どちらの方式も新人を教育する術で心理的安全性に直結しないように見えますが、
教育を通じて良好な関係を築けば、その分だけ心理的安全性も向上します。
ピアボーナスを取り入れる
ピアボーナスとは有益なアイデアや実績を社員同士が相互に報償し合う行為です。
ここで言う報償とは「人から認められた」という心的な色合いが強いです。
このため、報償内容は賛辞の意が伝われるものであればよく、金銭に限定されるものでもありません。
イメージとしては「Twitterで注目を集めリプライをもらえた」という感覚に近いでしょう。
最近は手軽に報償できるITツールなども登場しています。
まとめ
心理的安全性とは、否定や処罰を恐れず積極的に発言できる環境要素のひとつです。
心理的安全性が高まると生産性や成長性の高いチームが生まれます。
逆に低いと生産性の低下や組織の停滞、離職率の増加など組織に大きな影響を与えます。
心理的安全性を高めるには、他者への尊重や多様な意見の包容、評価基準の明確化など、メンバーが安全性を認識できる環境づくりが肝要です。
同時に、積極的なコミュニケーションや公平な対応の継続を通じて信頼関係を築くと好ましい結果を期待できます。
また、組織やチームを盛り上げるには社員同士が報償し合うピアボーナスも有用です。
コミュニケーションに特化した社内SNSの「日報革命」は心理的安全性の向上に最適なツールのひとつです。
新人から社長まで一挙に繋がってしまうのにLINEやTwitter感覚で扱えるので誰でも気軽に交流できます。
使い方次第でビジネス用途からプライベートな話題まで幅広く対象にできるところも、心理的なハードルを押し下げる効果を期待できます。
さらに日報革命は「いいね!」機能や社内通貨の発行など報償機能を搭載しているSNSです。
ピアボーナスを検討する企業のなかには導入方法に悩むケースもありますが、日報革命なら悩む必要すらなく極めて手軽に実行できます。
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