「新規事業アイデアが思いつかない」新規事業を進めるために必要なアイデアの出し方をご紹介
新規事業とは、企業が従来の事業領域外で新たに始める事業です。
日本ではソニーやトヨタの例が有名ですよね。ソニーはもともと家電や音響メーカーでしたが、近年は技術力を活かした画像センサーで世界トップシェア を誇っています。また、トヨタは新たな自動車サービスとしてMaaS(Mobility as a Service)を中心とした各種モビリティサービス事業 で注目を集めています。
ここでは、新規事業のアイデアを捻出する方法や検討すべきフレームワーク、ポイントなどを解説します。
- 1 新規事業のアイデア出す方法
- 1-1 未解決の問題を探る
- 1-2 トレンドを活用する
- 1-3 人工知能に相談する
- 2 新規事業のアイデア発想を助けるフレームワーク
- 2-1 SWOT分析
- 2-2 ブルーオーシャン戦略
- 2-3 ビジネスモデルキャンバス
- 3 新規事業を成功例
- 3-1 独自のフレームワーク
- 3-2 社内起業
- 4 まとめ
新規事業のアイデア出す方法
アイデアは、新規事業に不可欠な要素です。
きっかけは無数にあります。何がない気付きが一大事業に成長したとハナシ、一度は耳にしたことがあるのではないでしょうか。
未解決の問題を探る
顧客が直面している問題や不便は重要なヒントとなり得ます。
ダイソン創業者のジェームズ・ダイソン氏のエピソードが有名です。
彼は紙パック式の掃除機の欠点である「吸い続けると吸引力が下がる」点に着目し、吸引力の下がらないデュアルサイクロン式の掃除機を発明しました。しかし、欠点を補ったハズのサイクロン掃除機は、なぜか思うように売ませんでした。
当惑した彼はある日、「ユーザーの不満点」に目を向けます。見えてきたのは「ユーザーは吸引力低下をあまり気にしていない」ということです…。
そこでダイソン氏は、サイクロン式掃除機のもう1つの利点である「ゴミパック不要」という点をプッシュしセールスしました。
結果はもちろん大成功。ユーザーの多くは複雑な内部構造よりコスト意識を気にしており、「紙パックを買わなくていいんだ!」という利点に魅力を感じ購買しました。四半世紀がたったいま、ダイソンは世界的メーカーに成長。日本でも広く受け入れられています。
トレンドを活用する
技術革新、社会的動向、生活様式の変化など、トレンドを活用した新規事業は多いです。
例としては、シャープがわかりやすいのではないでしょうか。
コロナ禍のマスク不足にシャープが参入。空気清浄機などを製造する工場の一部を利用して、マスク生産ラインを急ピッチで立ち上げたのは有名な話です。
当時、価格高騰だけでなく、品質面への懸念が世間を不安で覆っていました。
そのような環境で投入されたシャープのマスクは販売直後から抽選に。ユーザーから絶大な人気を集めました。
人工知能に相談する
OpenAIのChatGPTやGoogleのGeminiなど人工知能を活用した相談方法です。
大規模な学習モデルによってトレーニングされているため、人間では考えられないほど広い範囲で膨大な知識を有しています。アイデアに関する相談も当然範囲に含まれます。
ただし、AIの解答は誰でも実践できるような汎用的なアイデアとなりがちです。そのせいか、現時点でAIによるヒントで驚異的な成長を遂げたハナシはあまり耳にしません。
もっとも、AIは急速なスピードで進化し続けています。
OpenAIは2024年2月、GPTとの会話履歴を長期的に記録する「長期記憶(memory)」を実装。Googleは同月、はやくもGemini1.5バージョンを発表しました。将来的に、AIからの提案が実を結ぶ日が来るかもしれません。
新規事業のアイデア発想を助けるフレームワーク
フレームワークは、新規事業アイデアの現実性を分析するテンプレート的な考え方です。
ここでは、代表的な例をご紹介します。
SWOT分析
SWOT分析は、組織やアイデアの強み(Strengths)、弱み(Weaknesses)、機会(Opportunities)、脅威(Threats)を整理し検討する枠組みです。
自社の現在位置と将来の方向性を整理することで戦略的にアイデアを検討できます。
ただし、SWOT分析は主観的な評価に基づくことが多いため、分析にバイアス(思い込みのようなもの)がかからないよう注意が必要です。
ブルーオーシャン戦略
ブルーオーシャン戦略は競争の少ない市場(ブルーオーシャン)を模索する枠組みです。
競争の激しい市場(レッドオーシャン)から脱却し、競争が少ない新しい市場(ブルーオーシャン)に飛び込み優位性を確保するため、このような名称となりました。
ブルーオーシャンの欠点は、飛び込んだ業界にビジネス性があるとは限らないということです。想定より市場規模が小さかったり、法改正により厳しい制約を課されるなど、リスクを考慮すべきです。また、新しい市場は法改正の影響を受けやすいため留意すべきです。
ビジネスモデルキャンバス
ビジネスモデルキャンバスは、企業のビジネスモデルを事業の構造を9つの基本要素に分割し、視覚的に表現する枠組みです。
ビジネスモデルを総合的に理解し、強化すべき点や改善が必要な領域を特定するために用いられます。
ビジネスモデルキャンパス9つの要素
1 顧客セグメント
2 価値提案
3 チャネル
4 顧客との関係
5 収益の流れ
6 主要リソース
7 主要な活動
8 主要なパートナーシップ
9 コスト構造
ビジネスモデルキャンバスの利点は、アイデアを取り巻く各要素を一目で把握できる明瞭さです。スムーズに共有・理解できるため、
自身はもちろん、チームメンバーとの議論や検討においても活躍します。
新規事業を成功例
最後に独自の方法で新規事業を成功に導いた例をご紹介します。
独自のフレームワーク
フレームワークはアイデアを検討する際に役立つ重要な仕組みです。
ただし、必ずしも既存の枠に当てはめなければならないというものではありません。なかには独自の分析フレームワークでニーズを把握し、市場を切り開く企業も存在します。
千葉県のデベロップ社は、独自のフレームワークでコンテナホテル「HOTEL R9 The Yard」の急拡大に成功しました。
成長の秘訣を握ったのは「各地域の就業者数全体と、その中のサービス業に従事する人々の割合」を重視する、独自のフレームワークです。
このフレームワークは単なるホテルの少ないエリアを計算するだけの指標ではありません。
母数となる就業者数はホテルを利用する潜在的な顧客数(就業者数が多いほど企業が多く、出張や商談などビジホを利用する客数が増える)。後者のサービス業従事者数はホテルの潜在需要に加えて、飲食店の少なさによる設備需要(コンビニ弁当を温める電子レンジを設置や冷蔵庫の容量など)を測る指標となります。
同社はフレームワークではじき出された指標が同社の基準を超える場合、出店を決断するとしています。最初の出店が2018年12月。現在2024年2月には77店。
よりチャンスに恵まれた立地環境を掴み続けています。
社内起業
米Googleが立ち上げた社内インキュベーター部門「Area 120」は、従業員のアイデアや起業を支援する取り組みです。
Area 120への参加を希望する従業員は、まず自らのビジネスプランを提出します。
プランが承認されると、そのプランにフルタイムで取り組むことが許可され、一定の成果を上げれば、新たな企業を設立する道が開かれるというものです。
この取り組みは、優秀な従業員の社外流出を防ぐとともに、新規事業アイデアの創出に活用されています。
従業員が持つアイデアを実現させるためのリソース、アドバイス、プラットフォームを提供することで、イノベーションの創出を期待しています。
まとめ
弊社の社内SNS「日報革命」は社内のコミュニケーション促進し、様々なやりとりを可能にするツールです。
社員間のアイデアやフィードバックの共有、フレームワーク分析など、様々な情報の蓄積を容易にします。
また、投稿内容は自動でデータベース化できるため、従業員の日報からヒントを得たり、従業員間でのアイデア議論も可能です。
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