部門間でのコミュニケーションを円滑に進める秘訣とは?

部門間でのコミュニケーションを円滑に進める秘訣とは?

様々な部署がある企業では、部門間で連携する必要があります。業務を引き継いだり、情報を共有したりすることで、業務の効率や生産性を高めることが可能です。
とはいえ、部門が異なることによって、それぞれが孤立しやすい現状もあります。

この記事では、部門間でのコミュニケーションが上手くいかない理由や重要な理由、円滑に実施する方法を解説します。

部門間でのコミュニケーションが重要な理由

部門にはそれぞれの仕事がありますが、業務によっては連携する必要があります。

業務以外の面でも、コミュニケーションをとるべき理由は多いです。

 

部門間のコミュニケーションが重要な理由には、以下のようなものがあります。

 

・組織力を高めるため

・生産性を向上するため

・イノベーションを生み出すため

・働きやすい職場をつくるため

組織力を高めるため

企業が組織として業績や目標を達成するためには、組織力や一体感が求められます。

部門ごとに独立して仕事をしていたり、相互理解ができていなかったりする状況では、一枚岩で取り組めているとは言えません。

 

部門間のコミュニケーションが活発な場合は、互いの仕事を理解した上で、情報交換をしたり、必要に応じてサポートしたりすることで、組織全体で取り組むことができます。万が一のリスクやトラブルが起きても、助け合って苦境を乗り越えられるはずです。

生産性を向上するため

部門単独でできる仕事でも、他の部門の力を借りて、もっと早くプロジェクトを完了させたり、収益性が上がったりする場合があります。

 

協力して生産性を高めるためには、部門間での情報交換が重要です。

日々のコミュニケーションからヒントを得ることで、効果的な連携やノウハウの共有ができるようになります。

 

イノベーションを生み出すため

新しい商品やサービスを生み出すためには、広い視野や多くのアイデアが必要です。

分野に特化している部門では、日々の業務や情報などが偏りやすく、視野が狭くなりがちではないでしょうか。

 

他の部門ならではの視点やアイデアが集まれば、それぞれが見えていなかった部分が見えてきます。ミーティングなど意識的にアイデアを集める機会も効果的ですが、コミュニケーションが活発な職場なら、日々のやり取りからもイノベーションの種を発見できるでしょう。

働きやすい職場をつくるため

離職する原因の中でも、人間関係の課題が関わっていることが多いと言われています。

部門間で連携する機会が多い場合に、コミュニケーションが上手くとれなかったり、ストレスを感じていたりすると、働きにくさを感じるでしょう。

 

部門内はもちろん、部門間のコミュニケーションも円滑にできていると、人間関係を構築しやすくなります。風通しが良く働きやすい職場になれば、多くの人材が定着するでしょう。

コミュニケーションが進まないわけとは

部門間のコミュニケーションが進まないことには、理由があります。ここでは、主な理由を5つ解説します。

 

・連携を上手くいかない体制が根付いている

・互いへのわだかまりが残っている

・連携を推進する人材がいない

・そもそも必要性を感じていない

・ビジョンが浸透していない

 

自社に上記のような課題がないか振り返りながら、チェックしていきましょう。

連携を上手くいかない体制が根付いている

部門ごとに取り組むのが当たり前になっていたり、接する機会がなかったりするなど、体制に課題を抱えているケースがあります。

 

そもそも部門間で関わる機会がないと、コミュニケーションをとるきっかけが生まれません。

他部門のことがわからない以外にも、コミュニケーションを通して自分がやっていることを発信できないのも問題です。互いにやり取りする場がなく、部門間のつながりが薄くなる場合があります。

 

古くから縦割りの組織が続いていたり、情報漏洩防止の観点からコミュニケーションを制限していたりする場合も、コミュニケーション不足が起きやすいです。

互いへのわだかまりが残っている

コミュニケーション不足が常態化していると、他の部門への不満やわだかまりが解消されずに残る場合があります。

「以前にやり取りが上手くいかなかったから連携は難しい」

「考え方や習慣の違いから合わないと思う」

といった小さな偏見から、さらにコミュニケーションがとれない状態になってしまいます。

 

コミュニケーションが不足し、他部門の状況や取り組み方を知らないことが主な原因です。

マイナスな印象から始まらないように、相互理解を深めるためにもコミュニケーションは欠かせません。

連携を推進する人材がいない

部門をまとめるマネージャーやリーダーが連携に消極的な場合も、部門間のコミュニケーションが上手くいかないケースが多いです。

 

自分の部門で完結させることにこだわることもあれば、コミュニケーションを苦手としていたり、他部門のトップや従業員を巻き込む力が不足していたりする場合もあります。

 

ある部門のトップは積極的で能力があっても、相手部門の意識や能力が低い場合も考えられます。リソースが足りず対応できないこともあり、その場合バランスが取れずに上手く連携が進まなくなるでしょう。

そもそも必要性を感じていない

部門内で仕事が完結していたり、他部門と接する機会がなかったりすると、そもそもコミュニケーションの必要性を感じない場合があります。

 

部門間でコミュニケーションをとらなくても、仕事が成立していれば、積極的にコミュニケーションをとろうと思わない人材や組織は多いでしょう。

 

「コミュニケーションが面倒」「上司が代表してやり取りすればよい」という考え方もあります。しかし、情報収集や連携は、仕事を効率化するだけではなく、人間関係づくりややりがいなどにもつながります。必要性をしっかり全体に伝えることが重要です。

ビジョンが浸透していない

企業には、意識を統一するためのビジョンがあります。ビジョンが浸透していれば、達成するために自然とコミュニケーションが生まれることが多いです。

 

一方、ビジョンが浸透していないと、従業員は思い思いの目的で仕事に取り組み、一体感は生まれにくくなります。「目の前の業務が終わればよい」と考え、コミュニケーションを重要視しない従業員が増えるかもしれません。同じ方向を向いて取り組むためのビジョンを設定し、しっかり浸透させることが大切です。

部門間コミュニケーションを円滑にする方法

部門間のコミュニケーションを円滑にするためには、3つの方法があります。できるところから始め、部門間のコミュニケーションを活性化させましょう。

 

・コミュニケーションをとる機会をつくる

・部門間の関係性を改善する

・制度から見直す

コミュニケーションをとる機会をつくる

まずは、意識的にコミュニケーションをとる機会をつくるのがおすすめです。定期的なミーティングを開催したり、社内イベントを企画したりして、他部門とやり取りするきっかけをつくりましょう。

 

互いの仕事への理解を深めたり、業務を離れた会話をしたりすることで、人間関係を構築しやすくなります。はじめは設定した場でのコミュニケーションですが、徐々に日常的なやり取りも増えていくでしょう。

部門間の関係性を改善する

部門間にわだかまりがあったり、敵対関係になっていたりする場合は、関係性の改善から取り組む必要があります。

 

ミーティングを開催し、不満に思っていることやお願いしたいことなどを共有し、膿を出すことが大切です。不満をぶつけるのではなく、冷静に想いを伝え、聞く側はしっかり受け止める必要があります。互いにメリットがある関係になれるように、徐々に関係を修復していきましょう。

制度から見直す

従業員に「明日から他部署とやり取りするように」といっても、すぐに行動を変えるのは難しいです。そのため、制度面から見直し、自然にコミュニケーションが生まれる体制づくりに取り組むと良いでしょう。

 

社内に固定席を設けないフリーアドレス制度の導入、リラックススペースや社員食堂の整備、飲み会やイベントへの補助など、コミュニケーションが生まれやすい職場をつくっていくのがおすすめです。

オンラインでの課題解決法

テレワークが普及している現代では、これまでよりもコミュニケーションが疎遠になりやすいです。オンラインがメインになっている場合にも、コミュニケーションの課題は解決する必要があります。

 

ここでは、オンラインコミュニケーションにおける課題解決法を3つ解説します。

 

・社内SNSなどのツールを活用する

・顔を合わせる機会を意識的につくる

・社内報を定期的に発信する

社内SNSなどのツールを活用する

社内SNSやビジネスチャットなどのツールは、オンラインコミュニケーションの活性化に便利です。メールや電話は硬い雰囲気になりやすいですが、社内SNSやビジネスチャットでは気軽にやり取りを行いやすくなります。

 

テンポよく意見交換をしたり、絵文字やスタンプを使ったりすることで、活発なコミュニケーションを期待できるでしょう。

顔を合わせる機会を意識的につくる

テレワークやリモートワークでは、文字だけのやり取りになりがちです。簡単に内容を伝えられるものの、感情が伝わりにくいので、連帯感や温度感が薄くなるケースがあります。

 

確かにチャットやメールは便利ですが、時には顔を合わせる機会が必要です。

オンライン会議やオンライン朝礼、ランチミーティングなど意識的に顔を見る場をつくり、コミュニケーションをとりましょう。人柄が伝わったり、文面で説明しにくいことを共有できたりするなど、連携を図るきっかけになるはずです。

社内報を定期的に発信する

オンラインで部門ごとに仕事をしていると、それぞれが何をしているかを把握しにくくなります。相互理解がないと、あらぬ偏見やわだかまりが起きやすいので注意が必要です。

 

そこで、部門の取り組みや社内のできごと、ビジョンなどを伝える、社内報を発信してみてはいかがでしょうか。業務に関係があることはもちろん、何気ない社員インタビューなどもコミュニケーションのきっかけになります。

 

部門間でのコミュニケーションで最も大切なこと

部門間のコミュニケーションを活性化する上で、最も大切なことは相互理解です。

どちらか一方が他者を知ろうとしても、もう一方が知ろうとしなかったら、良いコミュニケーションとは言えません。

 

相手の仕事や考え方を理解し、認めあうところからコミュニケーションが始まります。他者を変えるのは難しく、部門という組織を変えるのならなおさらです。まずは自分が変わることが大切で、コミュニケーションの取り方や考え方を見直していきましょう。

まとめ

部門間のコミュニケーションは、組織力や生産性の向上、イノベーションの創出、働きやすい職場づくりなどにつながっていきます。

 

課題を解決するには、偏見やわだかまりを解消した上で、ミーティングや社内イベントなどで接する機会をつくるのがおすすめです。フリーアドレス制度の導入、リラックススペースの整備など、制度・環境面の見直しも効果を発揮します。

 

オンラインコミュニケーションがメインになっている場合は、ビジネスチャットを導入したり、顔を合わせる機会をつくったりすると良いでしょう。

 

コミュニケーションの土台になるのは、相手を理解し認めあうことです。まずは、自分、所属する部門が意識を変え、他部門とのコミュニケーションに取り組んでいきましょう。

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