定着率を上げるには?人材が定着するポイントを紹介
従業員の定着率低下に悩む中小企業は多いです。
特に将来を期待して採用した若手に途中で辞められてしまっては痛手ですよね。離職理由は様々であるため、有効な手を打ちにくいという指摘も理解できます。
とはいえ、従業員にとっても転職は大きな賭けです。本来なら「転職という荒療治は取りたくない」と考える人材も多いのです。
実は弊社でも過去定着率向上が課題になったことがありました。今回は離職率や定着率に対する考え方を説明しながら、弊社の実施した施策も交え対策を解説します。
- 1 定着率とは?離職率との違いは?
- 2 離職率が高い企業とは
- 3 なぜ定着率を上げるのか
- 3-1 人材流出リスク
- 3-2 採用コストの増大
- 3-3 応募者減少のリスク
- 3-4 モチベーション・生産性の低下
- 3-5 企業文化醸成や業務改善が進まない
- 4 定着率を上げるためのポイント
- 4-1 社内SNSの導入
- 4-2 定期面談・相談
- 4-3 社内通貨の発行
- 5 まとめ
定着率とは?離職率との違いは?
定着率とは、人材がどれだけ会社に残っているかを示す値です。
一般的には100から離職率を引いて求めます。離職率は離職者数を1月1日時点の常用労働者数で除して、これに100を乗じたものと厚労省[i]が定めているため、これを計算することで算出できます。
参考:
離職率(%) = 離職者数 / 1月1日時点の常用労働者数 × 100(%)
定着率(%) = 100(%) – 離職率(%)
離職率が高い企業とは
厚労省は労働者の離職理由を毎年のように調べています。
男性
1位 人間関係が好ましくなかった 8.1%
2位 労働条件が悪かった 8.0%
3位 給料等の収入が少なかった 7.7%
女性
1位 労働条件が悪かった 10.1%
2位 人間関係が好ましくなかった 9.6%
3位 給料等の収入が少なかった 7.1%
これによると、定年退職等を除いた令和3年度の離職理由は、男女ともに人間関係や労働時間が2TOPを占めています。金銭面や将来性、仕事内容に対する不満で
離職する人も存在しますが、いずれも人間関係や条件面での不一致に比べて少数です。
このことから、現代従業員の多くは金銭面や成長性より、働きやすい職場を優先している様子が
うかがえます。
なぜ定着率を上げるのか
企業にとって定着率は死活問題です。
ここからは定着率上昇を目指すべき理由を解説します。
人材流出リスク
定着率の低い企業は常に人材流出のリスクに晒されています。
継続して勤務する従業員がいなければ、業務ノウハウは蓄積されず、成長を望む従業員にとって魅力の少ない職場と化します。また、入れ替わりの激しい職場は穴埋めなどの必要から、勤務時間の長時間化や人間関係の悪化が著しいです。
採用コストの増大
定着率の低い企業は常に流出した人材の穴埋めに迫られます。
特に熟練者や専門職の退職は事業運営に支障をきたす恐れがあります。急募となると多数のメディアに働きかけなければならないため、必然的に採用コストも増大します。
応募者減少のリスク
多くの採用応募者は応募先の定着率をチェックします。
通勤範囲の同業他社に定着率の高い企業がある場合、低い企業や非公開の企業は敬遠されます。
普通は同じ職場に勤務し続けたいものですから、当然の反応と言えるでしょう。
モチベーション・生産性の低下
定着率の低い企業は、従業員のモチベーションも低いです。
定着率が低いということは、つまるところ多くの従業員にとって快適ではない職場ということを意味します。退職者はもちろん、留まっている従業員も総じてストレスを抱えており、これが慢性的なモチベーションや生産性の低下を招きます。
企業文化醸成や業務改善が進まない
企業文化を必要とする場合、定着率は重要です。
企業文化の醸成は効率的なOJTや独自メソッドなどノウハウの財産を構成しますが、入れ替わりの激しい職場では当然、これらが育つことはありません。業務改善の代表であるPDCAにしても、1サイクルの間に何度も人が入れ替わっていては、正しい評価が行えず、改善が進むはずもありません。
定着率を上げるためのポイント
定着率を向上するには、従業員にとって居心地の良い職場作りが欠かせません。
とはいえ、ベースアップを繰り返すなど、実現不可能な対策を提案されても困りますよね。弊社も導入している、あまりコストをかけずに定着率を向上する方法を紹介します。
社内SNSの導入
従業員の離職理由ナンバーワンは人間関係悪化です。
とはいえ、コミュ力が最重要視される日本では、転職者は自身のコミュ力や職場の人間関係を心配しても正直に話題にしにくいです。弊社ではこうした課題を解決するため、全社的に気軽に語り合える社内SNSを開発し、非正規を含む全従業員に公開しています。
社内SNSは時間や場所に捉われず、気軽に語り合えるため、人間関係の潤滑油として機能します。弊社では導入以後、仕事のやり方やトラブル時の緊急相談、コーヒーブレイクの話題など、用途を問わず広く活用しています。定着率も明らかに向上しました。
定期面談・相談
定期面談や相談による積極的なケアも定着率向上に寄与します。
弊社は社内SNSを取り入れていますが、自主性に任せた会話だけではすべての悩みや相談事を解消することはできません。このため、弊社では定期的に役職者による
面談や相談機会を設け、改善点の洗い出しをしています。社内SNSの活用により告知もオンラインで実施できます。
定期面談のポイントは、人事考課のように形式ばったり、固くなりすぎないところです。何かを評価する場ではなく、話を聞くことが目的ですから、聞き役に重きを置いて対応します。
社内通貨の発行
有用な提案や実績に対して仮想通貨のような独自通貨を支給する方法です。
弊社の社内SNSには社内通貨の発行機能がついています。役職者が好ましい提案や評価すべき実績を挙げた従業員に対して付与するという仕組みです。
このシステムはSNSの利用頻度や内容の良質化を促します。さらにデータベース化も可能であるため、有用な情報を取りまとめ、閲覧者向けのマニュアル化も可能です。
ちなみに、弊社の社内通貨は商品券や自社サービスとの交換券として機能します。
まとめ
弊社では社内SNS「日報革命」を中心とした施策により定着率向上を図っています。
定着率向上や職場環境の良質化、企業文化の醸成を促すには最適なツールです。無料試用や日本語サポートなど、導入支援も徹底していますので、IT担当者が不足している中小企業様においてもご活用いただけます。
詳しい機能の解説やご案内は下記のURLで行っています。お気軽にお問合せください。