新米上司が心得ておきたいリーダーシップとは

新米上司が心得ておきたいリーダーシップとは

若手管理職にとってリーダーシップは大きな壁です。

特に部下の統率がうまくいかず、頭を抱える人は多くいます。若くして人を使うことに慣れている人材なんてほとんどいません。その意味では、仕方がない問題と言えるでしょう。

とはいえ、経営者ともなるとアドバイスする必要に迫られるケースもあるでしょう。ここでは若手管理職に必要なリーダーシップを解説します。

リーダーシップとは

リーダーシップとは、定められた結果を達成するため、共通するビジョンを定め、チームメンバーを導く能力を指しています。

 

同じ目標や目的においても、どのように進めるかは人によって異なります。組織はチームメンバーがバラバラの方向を向いていると効率的には動けないため、管理職はリーダーシップを発揮し、これらの効率化を促します。

 

もっとも、リーダーシップのあり方は、人によって様々です。

 

ノルマ設定により成果を求める強権的なスタイルの人もいれば、自発的・自律的な行動を促しモチベーションを高めるスタイルの人もいます。何が正しい手法であるかは、現在も経済学者の間では様々な議論が交わされています。

リーダーシップとマネジメントの違い

リーダーシップとマネジメントは異なる能力です。

 

リーダーシップは簡単に言えば「結果に向けて人をどのように導くか」という能力です。データやリソース配分を担うこともありますが、視点の中心はあくまでヒトで、モノやカネ、データなどは従物という立場です。

 

これに対してマネジメントは「目標達成できるよう、情報や状況を分析したり、リソースや手法をどのように管理するか」という能力です。ヒト・モノ・カネのすべてに目を配り、資金を配分したり、ルールを策定したり、環境を整えるなどが仕事になります。

リーダーシップにおいて重要ポイント

リーダーシップの重要ポイントは人に対する興味に尽きます。

 

特に現代人は金銭よりも居心地や人間関係を重視するため、リーダーの立場にある人が、相手への理解を示す姿勢は重要です。

 

ここからはリーダーシップにおいて特に重要なポイントを解説します。

ヒロイズムに注意する

ヒロイズムとは、英雄的行為や英雄的行為への憧れを指す言葉です。

 

望んでリーダーに就いた人は情熱と熱意に溢れています。故に「俺は会社の英雄になるんだ!」と意気込み、ヒロイズムに走りがちです。

 

しかし、皆さんご存知の通り、若手従業員のヒロイズムが、いきなり大成するなどほとんどあり得ないというのが実情です。それどころか、若手のヒロイズムは周囲との温度差を生みやすく、リーダーシップの崩壊を招きがちです。

人は強制されると反発したくなる

リーダーは責任が重く、視野が狭くなりがちな点にも注意しましょう。

 

上手行っているうちは良いのですが、立ち行かなくなると焦りや怒りから他者への理解を忘れがちです。リーダーがこうした感情を持ってしまうと、部下やメンバーに対して価値観の押し付けやパワハラまがいの行為に走りやすく、結果として反発を招きます。

 

もしかすると、皆さんの中にも同じ経験をした方がいるかもしれません。リーダーシップとはそれほど難しく、習得困難な能力です。

人には必ず長所がある

人に対する多角的な視点は重要です。

 

物理的に人を見るにしても、見下ろすか、見上げるか、主観的に見るか、客観的に見るかで、まるで違う人間に映りますよね。内面においてもこれは同じで、同じ人間を見るにしても、立場や関係性によって評価は全く異なります。

 

リーダーシップは各人の持つ長所を上手に発揮するための才能です。

 

多角的な視点を持つリーダーは、一面的な視点のリーダーよりもはるかに優秀で成果を挙げる可能性を秘めています。

 

参考:多角的視点と一面的視点の違い

 

一面的視点

「この人は上司から嫌われている」

「この人は発言が攻撃的だ」

「この人は開発や創造が得意だ」

 

 

多角的視点

「この人は上司から嫌われるが、部下からは好かれている」

「この人は攻撃的だが、発言はいずれも的を射ている」

「この人は開発や創造が得意だが、会社に何が必要かという視点はない」

リーダーシップを発揮するには

最後にリーダーシップを発揮するために重要なポイント解説します。

他の人より分析する能力が得意

リーダーシップは視点の中心がヒトにあります。

 

故に他人を分析する能力は、リーダーシップを取る人に欠かせません。多角的視点の項でも解説しましたが、分析で得られる情報量が多ければ多いほど、リーダーシップは発揮しやすくなります。

 

若手リーダーの選定においては分析能力の有無は重要です。

目標やゴールがはっきりしている

目標やゴールがハッキリしていればリーダーシップは取りやすくなります。

 

リーダーは部下に指示を与えなければいけませんが、最終的な目標が明確ならば指示内容もある程度限定的なものになるからです。筆記よりもマークシートの方が簡単であるように、選択肢も無限大であるよりは限られている方が簡単です。

 

若手リーダーの初仕事は明確な目標である方が良いでしょう。

自分の発言や行動に責任感を持っている

人は本質的に自分に甘く他人に厳しい生き物です。

 

部下は常にリーダーの行動や発言に注目し厳しい視線を寄せています。リーダーシップを発揮するには、リーダー自身が彼らの視線に耐えうる内実性や一貫性を備えなくてはいけません。不実や矛盾を内包すると、たちまち不信感を持たれてしまいます。

 

とはいえ、はじめてリーダーを務める人が、そこまで意識を向けられるとは限りません。管理職においては、彼らが立派に務めを果たすことができるよう、フィードバックを与えるべきでしょう。

まとめ

リーダーシップは統率・指導能力です。

 

マネジメントと違い重心がヒトに寄っているため、能力分析や信頼関係が何よりも重要になってきます。とはいえ、若手リーダーがいきなり最適な形で発揮するのは難しくリーダー経験のある管理職が、可能な限りフォローアップしていくのが望ましいです。

 

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