あなたは大丈夫?部下を潰すパワハラ上司

あなたは大丈夫?部下を潰すパワハラ上司

昭和のドラマでは上司が部下に「バカやろう!」と怒鳴り小突くシーンなど見かけますよね。他人を殴打するのは違法行為であるものの、社会通念として容認していた時代です。

ところが現代社会でこのような行為を働くと即座にパワハラ行為と見なされます。管理職の中には頭を抱えている方も多いのではないでしょうか。

ここでは「パワハラをしているのか…?」と不安になっている方に向け、パワハラのボーダーラインや適切な指導方法を紹介します。

パワハラのボーダーライン

パワハラのボーダーラインは労働施策総合推進法、通称パワハラ防止法と呼ばれる法律から読み取れます。

 

同法よると、パワハラとは

 

  • 優越的な関係を背景とした言動であって
  • 業務上必要かつ相当な範囲を超えたものにより
  • 労働者の就業環境が害されるもの

 

上記すべてを満たすものです。背景となる経緯や事情も考慮し判断するため「〇〇と言ったらパワハラ」のように単純にはいかず、これが理解を難しくしています。

 

もっとも、厚労省はガイドライン示し、ある程度判断できるようにしています。まずは確認しましょう。

優越的な関係を背景とした言動

優越的な関係とは、業務を遂行する上で一方が拒絶・抵抗しにくい関係を指しています。

 

わかりやすい例としては「上司に対する部下」が該当しますが、業務経験に歴然とした差がある場合「同僚同士」や「部下に対する上司」においても成立します。

業務上必要かつ相当な範囲を超えたもの

社会通念に照らし合わせ必要および相当でないと判断される行為です。

 

・業務上明らかに必要性のない言動

・ 業務の目的を大きく逸脱した言動

・ 業務を遂行するための手段として不適当な言動

・ 当該行為の回数、行為者の数等、その態様や手段が社会通念に照らして許容される範囲を超える言動

職場におけるハラスメント関係指針 -厚生労働省-

労働者の就業環境が害されるもの

就業環境が害されるとは、問題となる言動や行動が原因で労働者にとって就業環境が不快なものとなり、能力を発揮できなくなるなど状態を指しています。

 

主観的なものであるため判断基準として「平均的な感じ方」が採用されています。

 

例えば、ミスをした部下を殴打したり、人前で何時間にも渡り怒鳴るなどの行為は判断基準を満たすものと認定される可能性が高いでしょう。

部下を潰すタイプの上司

パワハラは大抵の場合、上司のマネジメントスキルの欠如もしくはパーソナリティ(人格)が原因で生じます。

 

前者は経験を積むにつれ自然と改まる傾向にありますが、後者は当人が問題と自覚しない限り難しく困難です。

 

ここではパワハラを行いやすいとされる、警戒すべき典型的タイプを紹介します。

融通が利かない?機械型

他者への関心が乏しく相手の感情を考慮しないタイプです。

 

部下への関心も薄いため人格否定となりうる厳しい言動を平気で口に出してしまいます。共感性にも欠けている「自分が言われたら…」という立場で考えにくく、言動に対する相談や助言も理解できず、改善には至りません。

現在軋轢を抱えており、原因の理解に至らない場合、疑った方が良いかもしれません。

敵とみなすと容赦しない!感情型

敵とみなした相手に極端に攻撃的な態度を取るタイプです。

 

他者を敵味方で判断するため、味方に甘く敵に厳しいなど両極端な行動を取りやすいです。特に立場の弱い人に対しては自身の感情を抑える理由が少ないため、辛辣な言動や行動を取る傾向にあります。

 

もっとも、感情型のトラブルは学習による改善できます。自覚がある方はアンガーマネジメントなど管理職向けの感情コントロールを身に着けると良いでしょう。

デキる人間と見られたい!プライド型

プライドが高く、ミスや失敗を許容できないタイプです。

 

他者から「デキる」と思われたいため下の立場からの指摘については、よほどの事がない限り自身の非を認めません。部下の非については人前であろうと必要以上に指弾して、優秀な自分をアピールしようとする厄介な部分も持ち合わせています。

 

このタイプは他人から指摘を受けるまで気付かないケースも多いです。もし自覚する機会を得たなら改善をオススメします。

他人は道具。謀略型

出世のために他者を犠牲にするタイプです。

 

使命のためには犠牲も必要という考え方をしているならば注意した方が良いでしょう。営利企業においては欠かせない存在であるものの、行き過ぎた強度になってしまうとパワハラと認定される可能性が生じます。

 

過度の行為や言動は、結局のところ自身の失敗に繋がります。注意が必要です。

「パワハラかな?」と思ったときの注意点

最後にパワハラを行わないための注意点を紹介します。

 

 

感情に左右されない

感情的な発言は制御が難しく避けた方が良いでしょう。

 

はじめは行き過ぎた言動を避けるつもりであったとしても、やりとりを経るうちに、過度な攻撃や人格否定となりやすいです。

 

「あなたの頑なところが嫌いです」

「小学生以下の判断力で最低です」

「あなたには不快感しかありません」

 

このような言動は適切とは思えませんよね。誰が聞いても眉をひそめてしまう内容なのに、なぜか当人だけが気付かないというのが、感情の厄介なところです。

抽象的な批判を避ける

抽象的な批判もパワハラとなりやすいです。

 

「お前は暗いから皆が嫌っている」

「気合が足りないなら辞めたらどうだ」

「ばばあは必要とされていない」

 

誰が聞いてもパワハラを疑ってしまうような内容ですよね。しかも内容が抽象的であるため、何をどのように改善すべきかわかりません。

 

仮に会社として辞めてもらわないと困るならば、適切な方法によるべきです。

指導の頻度・場所に注意

指導の頻度や場所にも注意しましょう。

 

発言や行動が適切な動機・目的であったとしても、頻度が行き過ぎるとパワハラと見られてしまう可能性があります。

 

部下や顧客が見ている前で厳しく叱責(場所)

立ったまま数時間に渡り怒鳴り続ける(時間)

毎日退勤前に問責し続ける(頻度)

 

このような行動は、たとえ必要な目的・動機であったとしても、相当な範囲を超えたパワハラ行為とみなされる可能性が高いです。

相手の理解力に合わせる

理解力には個人差があります。

 

一を学び十を知る人も要れば、一を学ぶのに十を要する必要もいるのです。指導や助言を相手の理解力に合わせることで「なぜ理解できないんだ」と攻撃的な感情に苛まれる事態を避けられます。

日報で振り返る時間を作ってあげる

パワハラを避けつつ改善を促す方法に「日報」活用という手があります。

 

日報は自身でその日の業務を振り返り上司に報告するための書類です。本来は上司が部下の業務を把握するために用いますが、制作の過程で自分自身の行いを見つめなおす必要があるため、自主的な改善を促すツールとしても活用できます。

 

特に昨今は社内SNSなど日報の電子化が進んでいます。双方の時間を拘束せず効率的に書けるため、指導の一環として導入する企業も増えています。

まとめ

パワハラに対する社会的な視線は厳しいです。

 

かつては実質的に容認されていた行為であっても、現代では否定されるというケースも多く、「パワハラかも…」指導に悩む上司は増えています。

 

「日報革命」はこうした部下への指導に悩む方にオススメしたい社内SNSツールです。

 

内省を促す方式であるためパワハラ行為となりにくく自己改善効果を期待できます。問題点の自覚により指導を受け入れやすくなり、能力向上や業績改善の働きも期待できます。SNSであるため時間や場所的な拘束も生じにくく、労働時間への影響も最小限にカットできるところも利点です。

 

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