知らないと損?組織力を向上させる心理的安全性の作り方
近年、注目されるようになった「心理的安全性」これは「組織のメンバーが、自分の考えを自由に発言したり、行動に移すことができる状態」を指します。
評価を気にせず自由に発言するようになることで、チームの創造性は高まる半面、「チームがまとまらなくなるのでは」「ネガティブな意見もたくさんでてきてしまう」など、懸念の声もあるようです。
心理的安全性とはどのようなものなのか。心理的安全性について、その特長や作り方を解説します。
- 1 心理的安全性とは?
- 2 心理的安全性の効果
- 2-1 多様なアイデアが生まれる
- 2-2 自主性の向上
- 2-3 社員の定着率が高まる
- 3 心理的安全性ができている状態とは?
- 3-1 1、話しやすさ
- 3-2 2、助け合い
- 3-3 3、挑戦
- 3-4 4、新奇歓迎
- 4 自社の心理的安全性ができているか確かめる方法
- 5 心理的安全性を作る具体的なポイント
- 6 心理的安全性を作り出す「日報革命」
- 7 まとめ
心理的安全性とは?
心理的安全性とは「サイコロジカル・セーフティ(psychological safety)」を和訳したビジネスに関する心理学用語の1つで、元々は1999年に、ハーバード大学で組織行動学を研究するエイミー・エドモンドソン教授が概念を提唱しました。
上司や同僚からの反応に怖がったり、恥ずかしさを感じたりすることなく、お互いがありのままの発言や行動することが確信をもってできる状態を指す言葉です。一言でいうと「言いたいことが言える職場」となります。2016年に米Google社が「チームパフォーマンス向上のためには、心理的安全性を高める必要がある」と発表したことで注目を集め、今日まで世界中のあるゆる企業が注目を集めています。
心理的安全性の効果
多様なアイデアが生まれる
心理的安全性が高い職場は、様々な意見やアイデアが生まれやすくなります。心理的安全性が低い職場だと、避難されることを恐れたり、上司や同僚に忖度してしまい建設的な意見を言えなくなってしまいます。
チーム全体が相手の意見を受け入れる体制ができていれば、上司や部下の関係を超えて様々なアイデアが生まれ、チーム全体の生産性が向上します。
自主性の向上
自分の考えや意見を受け入れてくれる、お互いが尊重しあえる環境であれば、メンバーの1人1人が目標や改善に向けて自発的に行動するようになります。
自主的な学習をする機会が増えたり、メンバー同士が積極的に意見交換を交わすことでチーム全体の生産性の向上に加え、メンバー個人の能力も最大限発揮されます。
社員の定着率が高まる
心理的安全性が高まると、会社での居心地がよくなり仕事がしやすくなります。また、自分の意見や考えを積極的に発信できるようになれば自主性が向上し、ここで長く働きたいと思うようになっていきます。
心理的安全性ができている状態とは?
心理的安全性の高い職場が仕事の生産性を上げる要因になりますが実際に心理的安全性が高い職場とはどのような状態を指すのか?心理的安全性には4つの因子があります。
1、話しやすさ
4つの因子の中でもっとも重要な因子が話しやすさです。周りとは違う意見を素直に言えるか、問題やトラブルが発生した時にすぐに声を出せるか、知らないことやわからないことをすぐに聞けるか。後ろめたくなるようなことやネガティブなことも含めて隠し事なく言える状態です。
2、助け合い
トラブルが発生した時に人を責めるのではなく解決策を一緒に考えてくれるか。状況や原因を共有、相談できるか。トラブルが発生しても助けが確保されている状態です。
3、挑戦
チャレンジすることはいいこと、とりあえずやってみる、こういった考え方が受け入れられる雰囲気。挑戦することが受け入れられてる職場ではメンバーのモチベーションアップに繋がり仕事に対して模索、試行錯誤するようになります。
4、新奇歓迎
年齢や立場に関係なく様々な人材を受け入れることによりメンバーの強みや個性が発揮されます。年齢や立場を超えることで、多様な視点からの意見やアイデアが生まれやすくなる。
自社の心理的安全性ができているか確かめる方法
実際に心理的安全性が高い職場かどうか確認する方法があります。組織行動学者エイミー・エドモンドソン氏が心理的安全性を測定するため提唱した7つの質問があります。
(1)チーム内でミスを起こすと、よく批判をされる
(2)チームのメンバー内で、課題やネガティブなことを言い合うことができる
(3)チーム内のメンバーは、異質なものを受け入れない傾向にある
(4)チームに対して、リスクが考えられるアクションを取っても安心感がある
(5)チーム内のメンバーにヘルプを出しづらい
(6)チーム内で自分を騙すようなメンバーはいない
(7)現在のチームで業務を進める際、自分のスキルが発揮されていると感じる
7つの質問に対してポジティブな回答が多ければ「心理的安全性の高いチーム」となり、ネガティブな回答が多ければ「心理的安全性の低いチーム」であると判断できます。
心理的安全性を作る具体的なポイント
心理的安全性に必要な4つの因子なかで特に重要なのが「話しやすさ」です。話しやすい環境であれば助け合いや挑戦、新奇歓迎といった雰囲気になります。心理的安全性が高く話しやすい職場を作るにはポイントがあります。
相手を承認する
相手を承認するには、まずは相手の意見やアイデアを最後まで聞きましょう。その上で「なるほど!」「そういう考え方もあるね!」と相手の意見が間違っていたり、自分の意見と合わなくていても一旦受け止めましょう。
上司が部下を尊重する
チームのメンバーや新人が心理的安全性を高めようとしてもリーダーである上司が変わらなければ環境も変わりません。上司から部下に対して相談をしてみたり自分の失敗談を話すことで同じ目線に立つことで信頼関係が築けます。
1on1の対話
チームのメンバーと1対1の対話をしましょう。この際、仕事の話だけはなくプライベートな話など雑談を入れて話す必要があります。雑談を入れて話すことで気軽さが生まれ話しやすい雰囲気になります。
ポジティブ思考を意識する
ミスやトラブルが発生したときに相手を責めたり原因追及をする前に、まずは一緒に改善策を考え前向きに捉えましょう。ミスやトラブルを悪いことではないと認識することができれば、失敗を恐れず新しいことにチャレンジしやすくなります。
感謝する
どんな些細なことでもしっかり感謝を伝えましょう。感謝を伝えることでお互いを認め、チームに必要な存在と認識することができます。特に立場が上の人であれば、意見を言ってくれたことや相談してくれたことに対して感謝を伝えましょう。
心理的安全性を作り出す「日報革命」
まとめ
心理的安全性が高い職場では、メンバー同士がお互いを尊重し、安心して意見を言えたり行動に移すことができます。そういった環境では様々なアイデアが生まれ、仕事の生産性が上がりメンバー自身も働きがいを感じるようになるでしょう。まずはあなた自身が心理的安全性を意識して行動に移してみませんか?