従業員が退職する理由とは?事前に兆候を知り定着させる仕組みをご紹介
若手や優秀な従業員の退職に悩む中小企業経営者は多いです。
多少の離職はどの会社にもありますが「毎月のように辞めていく」、「3年続いた若手はいない」など人材が定着しない場合、精査が必要かもしれません。
退職は従業員にとっても重要な選択です。背後には必ず大きな理由があります。ここでは離職の原因や兆候を解説し、中小企業経営者が取り得る対策をご紹介します。
- 1 従業員が辞める原因
- 1-1 給与が少ない
- 1-2 人間関係が良くない
- 1-3 残業や休日が希望と違う
- 1-4 将来性がない
- 1-5 能力を活かせない
- 2 従業員が退職する兆候
- 2-1 引き止め可能な初期段階
- 2-2 引き止めが困難なレベル
- 3 従業員が定着する仕組み
- 3-1 採用段階でのミスマッチ防止
- 3-2 職場環境の改善
- 3-3 キャリアアップ支援
- 3-4 フィードバックとフォローアップ
- 4 まとめ
従業員が辞める原因
厚生労働省は定期的に離職原因を調査し公開しています。
参考:https://www.mhlw.go.jp/toukei/itiran/roudou/koyou/doukou/22-2/dl/gaikyou.pdf
まずは従業員の離職理由を大きなものから紹介します。
給与が少ない
給与や賞与に対する不満は離職理由トップです。
若手や優秀な人材は引く手あまたな状態が多いです。
特に近年は大企業を中心に賃上げの流れにあるため好条件を見つけやすく、転職が起きやすくなってきます。
人間関係が良くない
人間関係は常に離職理由の上位をキープしています。
サラリーマンにとって職場は生活のメインスポット。
ケンカやいがみ合いばかりの職場よりも、チームワークの取れた職場を欲するのは当然です。
残業や休日が希望と違う
残業や休日のミスマッチも離職理由となり得ます。
特に多いのが「求人票と実際の残業・休日が違う」というパターンです。
あまりに実態に添わないものを作ってしまうと、あとあとトラブルになるかもしれません。
将来性がない
会社の将来に不安を覚え転職というパターンです。
当然、企業体力の乏しい中小企業で目立ちます。
業界自体の衰退はもちろん、新規事業の乱発などビルド&スクラップを繰り返すと従業員としては不安です。
能力を活かせない
サラリーマンの多くは責任あるポジションを目指します。
ところが、年功序列で上が停滞していたり、幹部は社長の親族ばかりという組織では、いつまで経っても責任ある仕事を経験する機会が得られません。
日本は年齢を重ねるにつれ市場価値が失われてしまう社会ですから、能力のある従業員ほど見切りを付け転職に踏み切りやすくなります。
従業員が退職する兆候
退職を決意した従業員を引き留めることは不可能です。
しかし、退職は一瞬で決まるものではありません。
日々の業務を通じて不満が募った結果であり、前段階となる兆候があります。
ここからは退職に見られるいくつかの兆候を解説します。
引き止め可能な初期段階
退職を考え始めた従業員は業務への関心を失いつつあります。
こうした気持ちはモチベーションやパフォーマンスの急な低下となって現れます。人によっては遅刻や欠勤が増えたりするケースもあるでしょう。
また、コミュニケーションの減少やそれに伴う孤立化など人と距離を取る行動にも警戒が必要です。職場の関係にうんざりしている可能性が高く、フォローを必要としています。
初期段階の兆候代表例
1 モチベーションの低下
2 パフォーマンスの低下
3 仕事への興味喪失
4 コミュニケーションの減少
5 遅刻や欠勤が増える
6 職場での孤立感
7 小さな不満や悩みの表明
引き止めが困難なレベル
兆候を放置し続けると、退職の意思はよりハッキリとした形となり現れます。
直接的な言動はないものの、部下や同僚に退職を示唆したり、会社の方針や文化にまで不満が及んだ場合、引き止めは困難になりつつあります。批判が不満に変わるなど感情的な言動が目立つ場合も兆候が進んでいます。
普段はイエスマンな人が感情的に歯向かったり、パソコンの操作履歴に求人関係の履歴を残すなど「どうなっても構わない」と言わんばかりの態度はさらに警戒が必要です。このような無敵化の背景には会社に対する強烈な不満が内在しており、引き止めは不可能と言って良いでしょう。
引き止め困難レベルの兆候代表例
1 周囲に退職の意思を漏らす
2 不満が会社の方針や文化にまで及ぶ
3 「批判」が「不満」に変わる
4 転職関係の履歴をわざと残す
5 イエスマンが急に変わるなど「捨て身」状態
従業員が定着する仕組み
従業員の定着には会社側のアプローチが必要です。
特に退職者が続出するような場合は組織としての構造に問題があります。
しかし、中小企業は資金力に限りがあるため「給与に不満 → 賃上げ」というような負担の大きい対策は打てません。
ここでは、賃上げ以外の手段で従業員の定着を目指す仕組みをご紹介します。
採用段階でのミスマッチ防止
最も望ましいのはミスマッチを起こさない適切な採用フローです。
特に採用担当者が面接や求人票で実態が異なる情報(給与・休日等)を伝えると、
従業員は入社後に「ハナシが違う」と不満を持ちます。「雇用契約書でウソつかなければ良い」
と捉える人もいますが、それは法的な範囲のハナシで、精神的な不信感は拭いされません。
また、人間関係や職場環境など答えにくい質問にも正直に向き合うと良いでしょう。
「労働問題が起きたことはない」、「みんな仲良くイヤな人はひとりもいない」といったような回答をしてしまうと、やはり入社後の不信感につながります。
職場環境の改善
特に人間関係が良好であるように配慮すると良いでしょう。
チーム・ビルディングや社内イベントなどコミュニケーションの機会創出は有効です。
近年は飲み会や無給のイベントを忌避する流れにあるため、業務時間内に実施するとさら効果が大きくなります。
また、休日が少なすぎたり労働時間が長すぎる場合、改善の検討も必要です。ライフワークバランスを重視する人が増えているので定着率の向上を期待できます。
キャリアアップ支援
従業員がスキルや能力を活かせるように支援する体制も必要です。
例えば、資格取得を奨励したり研修を実施するなど、成長機会の創出です。
また、人事評価を明確化し、実力主義的な環境を作ることで、優秀な人材の定着を図れます。
逆に「上司に気に入られたら昇進」のような不明瞭な評価制度は好ましくありません。
実力ある従業員は当たりが強くなりがちですが、これは人間が持つ仕方のない性質と割り切り、正しく評価すると良いでしょう。
フィードバックとフォローアップ
定期的なフィードバックやフォローアップも重要です。
意欲の低下や悩みに不満などの感情は必ず兆候として現れます。
深刻なものになる前にフィードバックやフォローアップを取ることで解消できるケースも多くあります。
不満や悩みを早期把握するにはITツールの導入が効果的です。
例えば、弊社が開発した「日報革命」は、各従業員の勤怠状況やSNS上での行動分析(投稿内容・頻度等)をデータ化し管理できます。
「急に投稿が減ってきた」、「遅刻や早退が目立ってきた」、「言動に異変が起きている」など注意すべき兆候をすぐに把握できるため、退職対策のフォローアップが容易になります。
まとめ
退職は従業員にとっても大きな決断。検討する従業員には必ず不満や悩みなどの兆候が現れます。企業が退職を防ぐには、こうした兆候を見逃さず、適切にフォローアップすると良いでしょう。
弊社の社内SNS「日報革命」は、日報を情報資産として活用するためのツールです。
多彩な表現機能に加えて勤怠、投稿内容、投稿頻度など各種分析管理機能を備えています。急に元気がなくなったり、いら立ちや不満を表明するなど、注意すべき兆候をいち早く把握しフォローするには適しています。
また、日報革命は時間や場所に捉われず従業員同士がつながることのできるツールです。社内イベントやコミュニケーションの活性化にも使用でき、定着率アップを期待できます。
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