働き方改革の目的の設定と取り入れ方のポイントとは
働き方改革とは、働く人々が持つそれぞれの事情に対応するため、多様な働き方を取り入れようというパッケージ政策です。
日本は少子高齢化や長時間労働、育児介護の両立など様々な課題を抱えていますが、働き方が硬直しているため、生産性が低いというのが特長です。働き方改革はこうした問題を解決し、企業と従業員の双方の利益(+国の税収)を追求しようというわけですね。
ここでは働き方改革の概要を解説し、中小企業が取り入れやすい施策を紹介します。
- 1 なぜ働き方改革が必要なのか
- 1-1 労働者人口減少
- 1-2 働き方の多様化
- 1-3 生産性の向上
- 2 働き方の改革を進めるにあたってのポイント
- 2-1 働く従業員の意見を聞く
- 2-2 ITツールを活用する
- 2-3 外国人労働者の確保
- 3 まとめ
なぜ働き方改革が必要なのか
働き方改革をシンプルに言えば「ワークスタイルの合理化」です。
例えば、日本は伝統的に長時間労働が根付いていますが、これは育児や介護に追われる人にとって不合理で、高いハードルとなっていました。
労働人口も減少の一途を辿っているため、彼らの採用機会の喪失は、企業にとっても痛手です。
働き方改革は、こうした不合理なミスマッチを時短勤務やリモートワーク、ITツールの活用などで解決しようという取り組みです。
形としては政府が企業に求めるという構図になっていますが、根本的には時代に合った企業体質を作り出し、
合理的かつ高い生産性の創出を目指したものと捉えるのが正確です。
労働者人口減少
労働人口の減少に悩む中小企業は多いです。
ご存知のとおり、日本社会は新卒一括採用文化。優秀な若手人材は大企業に集まり、中小企業を敬遠する傾向にあります。
また、最近は少子高齢化の影響で売り手市場になりやすく、一部の業界では「人が集まらず倒産(人手不足倒産)」も起きています。
ただし、近年は「給与よりもワークスタイルを重視する」という若手人材も多いです。
残業上限の設定や年次有給休暇の取得奨励、勤務間インターバルの確保など需要に合わせた働き方の導入が人材確保に繋がります。
働き方の多様化
日本の労働環境は現在、激動の時代を迎えています。
特に目覚ましいのは共働き世帯の急増です。かつて日本は「男が働き女が守る」いわば片働き世帯が主流でしたが、
今や両者の比率は逆転し、共働き世帯が多数を占めるようになりました。他に高齢就労者の増加や正規雇用以外の働き方の選択も顕著です。
とはいえ、こうした世帯の多くは子育てや介護など複数の課題を抱えています。
このような背景から、近年は育休からのキャリア再建、時短勤務やリモートワークなどを導入する企業が強く好まれます。
生産性の向上
生産性の向上も働き方改革に期待される効果のひとつです。
生産性は言い換えれば「稼ぐチカラ」。同じ労働時間でも、より多くの商品を製造し、販売し、契約を取れるなら、それは企業の利益となります。
働き方改革においては、特に不合理な待遇差の解消が生産性向上に繋がると期待されています。
国内企業の中には同じ業務内容でありながら、正規雇用とパートタイムに著しい待遇差が存在する例が多くあります。
また、名前ばかりの役職を「ご褒美」と捉え、胡坐をかく人材も問題です。
「同一労働同一賃金」など待遇差のない合理的な賃金制度にすることで、上から下まで全社的に生産性の向上が期待されます。
働き方の改革を進めるにあたってのポイント
働き方改革は企業をアップデートし時代に適合させる施策です。
ただし、日本企業は長く硬直してきました。改革を成功に導くいくつかの重要点を紹介します。
働く従業員の意見を聞く
働き方改革により従業員は少なからぬ影響を受けます。
イーロン・マスク氏のように強硬なトップダウンで改革すると思わぬ反発を受けることも。
経営側が良かれと思った施策が現場にとっては正反対で、逆効果という可能性もあるからです。
このようなトラブルを回避するにはやはり「事前調整」が有効です。従業員の意見を聞き取り、適切な施策を検討すると良いでしょう。
ITツールを活用する
現状維持で働き方改革を目指すならITツールの活用が有効です。
例えば、社内SNSを導入し事務作業を短縮するという手があります。
紙ベースでは書き手も読み手も会社にいなければいけませんが、電子媒体なら移動時間や手待ち時間に日報提出や資料作りが可能です。
また、コミュニケーションや情報共有を加速化し生産性の向上も可能です。
時間や場所に捉われず、リアルタイムに情報共有できるため、業務連携や顧客対応がスムーズに。
履歴のデータベース化により業務の属人化や偏りも解消しつつ、生産性の向上を期待できます。
外国人労働者の確保
外国人労働者の確保も働き方改革の一助となります。
特に人手不足の影響で従業員あたりの負担が大きくなっている場合、これを短期的にも長期的に解消できる可能性を秘めています。
ただし現在、技能実習制度の廃止検討など激変期を迎えています。
新制度による導入には労働条件や在留資格など配慮すべき部分が多くあるため、必要に応じて社会保険労務士や行政書士など専門家のサポートも検討すべきです。
まとめ
働き方改革は人手不足の解消や生産性の向上など、現代の企業が抱える問題の解決策です。
しかし、突然導入すると混乱を招いてしまうため、実施前の話し合いやムリのない導入方法を検討すると良いでしょう。
社内SNS(ITツール)による改革は現状を大きく変えることなく改革するに最適です。
時間や場所など制約を受けずに情報共有や業務対応の加速化が可能であるため、労働時間を減らしつつ、生産性の向上を期待できます。
また、各従業員の履歴は全てデータ化・検索できるため、中長期的には会社の情報資産としても活用できます。
弊社開発の社内SNS「日報革命」は、上記の機能全てを搭載しており働き方改革に最適です。さらに完全日本語サポートや無料試用導入にも対応。
中小企業の導入実績も豊富にあるので導入前から成功図をイメージできます。